夜にひっそり
花が咲く植物のナゾ
『プチペディア』で迫る、
昆虫・植物・動物のヒミツ
©︎TAKAO NISHIDA/SEBUN PHOTO/amanaimages
『プチペディア』で迫る、
昆虫・植物・動物のヒミツ
植物の多くは、明るい昼間に花を咲かせます。それはミツバチや蝶などの昆虫を利用して受粉し、子孫を残すためです。でも、中には真っ暗な夜間に花を咲かせる植物もいます。その理由は何でしょう? NATURE & SCIENCEが手がける『PETiT PEDiA にほんの植物』(アマナイメージズ)からの転載記事です。
植物の多くは、太陽がのぼる明るい昼間に花を咲かせます。それはミツバチや蝶などの昆虫を利用して受粉し、子孫を残すためです。
でも中には真っ暗な夜間に花を咲かせる植物もいます。それらはどんな植物なのでしょうか?
夜に花を咲かせることで有名な植物に、月下美人(げっかびじん)があります。
月下美人は、中南米原産のサボテンの仲間で、夜に開花して朝までにはしぼんでしまいます。大きく豪華な花と強い香りが、見る者を魅了します。
また、カラスウリも、一度見たら忘れられない花です。暗闇の中で、レースのような網目状の白い花びらを広げた姿は何とも神秘的です。
オシロイバナやオオマツヨイグサなども身近な夜の花です。
でも、なぜあえて、真っ暗な夜に咲くのでしょうか。
カラスウリやオシロイバナ、オオマツヨイグサにやってくるのは、夜に活動する蛾の仲間です。
カラスウリやオオマツヨイグサの花は白や黄色で、夜でも目立ちやすい色をしています。またオシロイバナには、虫をおびき寄せる強い香りがあります。
一方、月下美人の場合、自生地では、なんと花粉や蜜を食べる小型のコウモリが花粉を運んでくれます。
こうした花々は、夜の生き物たちをパートナーに選ぶことで、競争相手の少ない夜に開花して、効果的に受粉を行なっているのです。
この記事の元になった本は……
プチペディアブック「にほんの植物」(アマナイメージズ)
植物のステージであるたねや実、発芽、生長、開花、枯れの5つの章に分けて、さまざまな疑問と解答を紹介しています。取り上げた疑問はトリビア的なものではなく、植物の全体像を知るための近道となるものです。ぜひ、お子さんと一緒にコミュニケーションしながら読んでみてください。好奇心を育み、植物に興味を持つきっかけとなるはずです。
[企画・編集]ネイチャー&サイエンス
[監修]小林正明(元飯田女子短期大学教授)[文]大地佳子
[判型]B6変
[ページ数]152ページ
本体価格 ¥1,400(+税)