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Nature & Science

アマナとひらく「自然・科学」のトビラ
身のまわりにいる6種類が見分けられる! セミの抜け殻のしらべ方。
セミの抜け殻のしらべ方

身の周りにいる6種類が
見分けられる!

文/高野 丈

「夏の音」といえば、どんな音をイメージしますか? 波の音。雷や夕立ちの音。高原で聞こえるカッコウの声。花火の音。夏ならではの音がいろいろありますが、主役はなんといってもセミです。真夏の蝉時雨が、夏らしさを演出します。

この時期、街路樹や公園の木はセミの抜け殻だらけ。子どもの頃に抜け殻を集めたことのある人も多いでしょう。でも、抜け殻でセミの種類とオスかメスかを見分けられることを知っていますか?

©Joe Takano

身のまわりで見られる6種類のセミの抜け殻(左からニイニイゼミ、ツクツクボウシ、ヒグラシ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、クマゼミ)
©Joe Takano

抜け殻を調べることで、採集地にどんなセミがすんでいるかがわかり、自然の豊かさをおおまかに知ることができます。舗装によって整備された公園ではアブラゼミが圧倒的に多いとか(西日本ではクマゼミが圧倒的に多い)、自然豊かな公園ではニイニイゼミやヒグラシもすんでいる、などです。

小平中央公園(東京都小平市)で毎年実施しているセミの抜け殻調査
©Nao Ogikubo

毎年、都内の公園で行う「セミの抜け殻調査」では、調査する場所を決め、夏の間に2〜3回抜け殻を採集して種類とオスメスを見分け、集計します。抜け殻の見分け方は難しくありません。子どもでも30分もあれば抜け殻の見分け方をマスターしてしまいます。

6種類のセミの抜け殻、どう見分ける?

身のまわりで見られる「6種類のセミの抜け殻」のおおまかな見分け方

・その右の2つ、ニイニイゼミと同じくらい小型の抜け殻は、かっ色でつやがあり、背がまるまったような形なのがヒグラシ(写真左から2列目上)。白っぽくてつやがなく、まっすぐな形なのがツクツクボウシ(写真左から2列目下)。
・大型の抜け殻は3種。最も大きくて金色を帯びるのはクマゼミ。ひっくり返すと足のつけ根にでっぱりがある(写真右3つの上)。
・残りの2つがやや難しい。触角が太く、毛が多いのがアブラゼミ(写真右の3つの左下)で、逆に触角が細くて毛が少ないのがミンミンゼミ(写真右の3つの右下)。

アブラゼミの触角。太く、毛が多く、根元から3番目の節が長い。鼻のような部分に黒い模様がある

ミンミンゼミの触角。アブラゼミより細く、毛が少なく、3番目の節はほかの節とほぼ同じ長さ。鼻のような部分にアブラゼミのような黒い模様はなく、先に土がついていることが多い

オスは、おしりの突起が1つ(すべてのセミで共通)

メスは、おしりの突起が2つ(すべてのセミで共通)

どんな種類のセミがそこにすんでいるか、オスとメスの割合はどうか、夏の前半と後半ではどういう変化があるかなど、セミの抜け殻を調べることで気づくこと、わかることがいろいろあります。

最近では、東京にはもともと生息していないクマゼミ*1が都内各地で確認されることが相次いでいます。もしかしたら、抜け殻を調べることで、その謎に迫ることができるかもしれません!

暑かった2018年の夏も、そろそろ終盤へ。ゆく夏を惜しむように、セミの抜け殻調べにチャレンジしてみませんか?

*1 クマゼミ

西日本には多いが、東日本にはもともと分布していないので、ふつう東京では声はしても、抜け殻はとれないとされている。ただし、ピンポイントでとれる場所もある(西日本から木をもってきて植えた住宅地・公園など)。

Profile
Writer
高野 丈 Joe Takano

NATURE & SCIENCE 編集部。身近な自然とそこにすむ生きものの楽しさと大切さを、自然科学メディアと自然観察会、講演活動を通して伝えることがライフワーク。ホームフィールドは井の頭公園。得意分野は野鳥と変形菌。

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