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アマナとひらく「自然・科学」のトビラ
モッフモフの野生ネコ マヌルネコ

モッフモフの野生ネコ、
マヌルネコ

文/室橋 織江

生物や環境、自然科学の分野にまつわる企画や編集を得意としているのが、私たちアマナ  NATURE & SCIENCE Div.(ネイチャー&サイエンス ディビジョン)です。最近手がけた仕事から、とっておきの話題を紹介。今回は「ありえないくらいモフモフな野生ネコ」の写真をお楽しみください。

ネコといえば、スマートでしなやかなイメージ。そのイメージを覆す、モフモフ、まるまる、ムッチリの、じつに個性的な野生ネコがいます。

その名は、マヌルネコ。

このインパクト大な姿や表情で、人気がモフモフ上昇中です。

独特なバランス……モフモフ、ムッチリな立ち姿
「マヌル(manul)」はモンゴル語で「小さなヤマネコ」の意味。モフモフだから大きめな印象だけど、実際はイエネコとそんなに変わらない

 


このモフモフ、無駄にモフモフしているわけじゃありません。ちゃんと意味があるのです。

マヌルネコは、モンゴルやロシア、中国などの中央アジアに分布。ステップや半砂漠など、厳しい自然環境のもとくらしています。冬にはマイナス50℃になることもあるとか。そのため、たっぷりの脂肪とモッフモフの毛で、冬を乗り切るわけです。

デカイ顔で、ジトッと見てくる
ジットリした目つき、ふてくされたようなこの顔が、「ブサかわいい」とか言われています


じつは希少な野生ネコ

マヌルネコの目には、ほかのネコと決定的なちがいがあります。それは、瞳の形。ネコの瞳といえば、明るいところでは縦に細長く収縮しますが、マヌルネコは丸い形のまま収縮します。

耳も個性的。小さめの丸い形で、顔の横についています。これだと、身を隠すところが少ない環境で、岩場の陰から獲物をのぞき見するときなどに、耳が目立たなくていい感じなのです。

あくびするだけで、コミカル
マヌルネコは、表情豊か。ヘン顔になりがち


こんなにモフモフなので、その毛皮をハンターに狙われることもあるとか……。乱獲などの影響で数が減少しており、現在、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されています。じつは希少な野生ネコ。

日本では6か所の動物園にいます(2019年3月現在)。本物のモフモフに、あえますよ。

*マヌルネコにあえる動物園*
旭川市旭山動物園(北海道)
那須どうぶつ王国(栃木県)
埼玉県こども動物自然公園(埼玉県)
上野動物園(東京都)
東山動植物園(愛知県)
神戸市立王子動物園(兵庫県)

マヌルネコの学名は、Otocolobus manul(Pallas, 1776) 


そして、NATURE & SCIENCE が編集を担当したマヌルネコの本も、モフモフ発売中です。

『究極のまるいネコ マヌルネコ』(竹書房)
監修/今泉忠明 協力/那須動物王国
編/ネイチャー&サイエンス(アマナ)

>>関連記事「マヌルネコの赤ちゃん誕生!

Profile
Writer
室橋 織江 Orie Murohashi

NATURE & SCIENCE 編集部。「書籍制作のため、動物園でマヌルネコ取材をしました。砂浴びをしたり眠ったり怒ったり、どんな姿もかわいい……。モフモフのマヌルネコ、暖かくなるとスッキリ短い夏毛になって印象がまた変わります。ぜひ動物園で夏と冬のマヌルネコを観察してみてください。」

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