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アマナとひらく「自然・科学」のトビラ
シマエナガの探しかた

かわいくって大人気!
シマエナガの探しかた

写真・文/高野 丈

シマエナガという野鳥が以前から大人気です。写真集に、カレンダーに、SNSにと、あちこちから引っ張りだこ。最近では、ティッシュペーパーの限定版ボックスにも大きくデザインされているようです。そんなシマエナガって、いったいどんな鳥なのでしょうか?

シマエナガは、エナガの亜種

シマエナガ(学名:Aegithalos caudatus trivirgatus)は日本の野鳥で、エナガ*1 の亜種です。

亜種とは「種(しゅ)」よりも細かい生物分類の単位で、同じ種内でも形態などに明瞭な違いが認められる地域個体群を言います。

©︎Joe Takano

シマエナガは北海道にのみ分布します。国内には本州に広く分布する亜種caudatusのほか、九州と対馬にそれぞれ亜種がいます。日本産エナガ4亜種の1つがシマエナガなのです。

専門的な話はこれくらいにして、シマエナガの魅力についてお話しましょう。

*1 エナガ(学名: Aegithalos caudatus

スズメ目エナガ科エナガ属。スズメよりも小さな鳥で、全長は14cm、体重は数g程度。体のバランスとして尾羽が長めなので「柄長(えなが)」と名付けられました。英名は Long-tailed Tit。この長い尾羽を除けば体長は数cm、日本最小級の小鳥です。昆虫やクモなど主に動物食で、冬季は樹液もなめます。果実や種子はあまり食べません。


魅力の真骨頂は、正面顔!

私は今をさかのぼること約17年前、このシマエナガばかりを追いかけていた時期があります。シマエナガの酸いも甘いも知り尽くした私が、その魅力を存分に語りたいと思います。

シマエナガの魅力は、なんといってもその羽毛にあります。他の鳥よりもふわふわ感、もふもふ感にあふれ、ぬいぐるみのようです。

©︎Joe Takano


そして、その魅力が絶頂に達するのは正面です。

正面顔こそシマエナガの真骨頂! まるでふわふわした雪玉か雪だるまのようです。

©︎Joe Takano

写真を撮るなら、とにかく正面顔をねらいましょう。完全に尾羽が見えなくなり、カメラ目線をもらえれば大成功です!

©︎Joe Takano

もうこれは、なにか別の生きもののようですね。


寒くなると、もふもふ感アップ

そして、シマエナガ観察には真冬がオススメです。気温が低くなると、体の保温のために鳥たちは羽毛を膨らませるからです。

©︎Joe Takano

もふもふ感が、寒さでアップ!というわけです。

ただし、真冬の北海道はめっちゃ、しばれ(寒い)ますけどね。観察しているあなたもダウンウェアなどで、もふもふになっていることでしょう。


さて、気になる探しかたは?

林のある公園へ行き、「ヒヒヒ」「ジュルリ」という声を頼りに探します。

ご参考までに、NPO法人のバードリサーチが運営する、鳥の鳴き声検索サイトをご紹介しておきます。鳴き声検索のウィンドウに「エナガ」「シマエナガ」と入力して、鳴き声を聴いてみてください。

外部リンク:認定NPO法人バードリサーチ「鳴き声図鑑」

©︎Joe Takano

真冬は落葉樹の葉が落ちていて、食べ物が乏しいので平地の公園でもよく見かけます。繁殖期以外は群れで行動するので、鳴き声さえ覚えてしまえば探しやすいものです。


北海道以外でも亜種に会える!

シマエナガに会いたいけど……北海道まで足を延ばすのはなかなか難しいし、身のまわりで会いたい! そんなわがままなあなたに朗報です。

亜種エナガなら、少し林のある公園で観察することができます。亜種エナガは頭部に黒く太い眉斑が入りますが、他に大きな違いはなく、とてもかわいらしいです。

時期はやはり冬がオススメ。エナガを求めて郊外の公園の林を散策するのは、とてもいい時間になると思いますよ。

©︎Joe Takano

え? やはり、まっ白なシマエナガじゃなきゃダメですって?

それなら北海道へ行くしかないですね。

行ってらっしゃい! おいしいものも一緒に楽しんできてくださいー。


Profile
Writer
高野 丈 Joe Takano

株式会社アマナ所属。サイエンスコミュニケーター。身近な自然とそこにすむ生きものの楽しさと大切さを、自然科学メディアと自然観察会、講演活動を通して伝えることがライフワーク。ホームフィールドは井の頭公園。得意分野は野鳥と変形菌。著書に『井の頭公園いきもの図鑑』『美しい変形菌』など。

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